yoshi-kansoのブログ

映画や小説、漫画に音楽など、その時に触れて感じた事を書いていこうと思います。

「森山中教習所」映画の≪感想≫

森山中教習所
2016年7月9日公開
野村周平賀来賢人のW主演

~簡単なあらすじ~
ちょっとズレてる大学生佐藤清高(野村周平)と根暗なヤクザの轟木(賀来賢人)が免許を取得するために教習所に通うとあるひと夏のお話。

と非常にざっくりですが、こんなお話です。元は漫画なんですね(まだ未読です)。

ここから先はネタバレありです!

実は今年の正月の夜中に放送してたのを録画して、昨日やっとこさ見たのですが、とっても良かったです!

彼女を振った清高が轟木の運転する車にはねられます。全く動じない轟木ですが無免許の為、免許を取れとヤクザの親分に命令され夜中にも関わらずその足で教習所へ。事故の隠蔽の為にトランクに入れられた清高が目を覚まします。幸い傷ひとつなく、しかも「轟木じゃーん!」と満面の笑み。あっけにとられた親分に示談として免許取得を持ちかけられ快諾。
ここから二人の夏が始まります。
はねたことを怒ってるのかと尋ねる轟木に「どうでもいい」と返したり、器が大きいのかアホなのかよくわかりません。
そんな清高も家庭では問題を抱えています。燻ってる父親に嫌気がさし、家を出る事を常に考えてます。そんな時、講師のサキさんに恋をしたり、失恋したり。

一方轟木ですが、免許取得には全く乗り気ではありません。
施設で育ち、早くそこから抜け出したくて高校を中退してヤクザの道に。クラスに馴染めてなかった轟木が清高に初めて声をかけてくれた日が退学日。
たったこれだけの接触なのに、物怖じもせずに「友達」と言い切る清高。
清高の言動には常に笑みがこぼれる轟木。
清高は免許を取ればどこにも行けるが、自分は反対にヤクザの世界に縛り付けられてしまう。

自分の持ってる価値観を覆され、そんな清高と過ごす夏がとても楽しくて、辞められるわけがないのにヤクザを辞めたいと夢想する轟木がとても切ない。
所々、自分がヤクザであることを疎ましく感じている様な轟木とそれを感じとり、その背中を見つめる清高も切ないです。

最後に二人とも無事に免許を取得するのですが、二人はここから別々の世界へ戻っていきます。決して交わる事のなかった二人が奇妙な再会を果たし、また別れていく。
偶然がもたらしたあの夏の日々。特に轟木にとっては忘れられない夏になったはず。

正月に録画しておきながら、この時季に見たと始めに書きましたが、結果最高でした。この夏の終わりに見るにはぴったりのお話でした。


最後に、たまらなかった所。
轟木役の賀来君が銀髪にネクタイにシャツなのですが、それがとても似合っています。常に静の表情がとても好きです。